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「ARIA」シリーズ Blu-ray Disc 化進行中!

でも発売日は未定・・・(´・ω・`)ショボーン

佐藤順一監督、こちらをやる前にARIAのBD化進めてぇ~(苦笑)
綺麗なアリア社長(笑)を見られるのはいつの日か・・・



「ゼーガペイン Blu-ray BOX」「キスダムR -ENGAGE planet- Blu-ray BOX」のように早くBD-BOX化されますように
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消されるな この想い
忘れるな BD化までの苦難の道程

涼宮ハルヒの憂鬱 #24 「涼宮ハルヒの溜息V」 を見てあれこれ考えたこと [アニメ]

もし私が高校生前後に、この「涼宮ハルヒの憂鬱」というアニメ、あるいは小説に出会っていたならば、多分どハマリしていたと思う。
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涼宮ハルヒは、野球場の大観衆を目の前にして自分はちっぽけな存在であることに気がついたが、誰しも同じような経験をしていると思う。
小学生の頃は自分と自分を取り巻く世界が全てだったのに、中学生そして高校生になるに従って、自分の周囲の世界が拡がり、それにつれて「自分」という存在が相対化されていく。具体的に言えば、小さい頃は勉強やスポーツ、その他の趣味などで自分と比較できる人間が限られているから、少し得意なモノがあれば「自分は特別」なのかも、と思ってしまうが、自分の世界が拡がると嫌でもたくさんの人間と自分を比較してしまい、結果として自分はそれ程たいした存在ではないと気付いてしまう。


などというごちゃごちゃした話が続くので続きは「続きを読む」をクリックして読んでみてください。



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ただ、思春期に「自分は取るに足らない普通の人間」だということを受け入れることは非常に精神的なストレスを伴う。そこで、「もしかしたら自分の知らないところで何か凄いことが起きていて、自分ももしかしたらその当事者か、当事者になりうる存在ではないか」と夢想する場合がよくある。一種の現実逃避だが、大人になるためのある種の通過儀礼であり、それ自体は決して悪いことではない。
そして、その逃避の「受け皿」として「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズは非常によくできている。

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視聴者、あるいは読者の分身たるキョンは「普通の人間」であるにも関わらず、涼宮ハルヒや宇宙人・未来人・超能力者が巻き起こす、時には宇宙規模にまで発展する騒動に巻き込まれる。そしてキョンはそれを直接どうにかできるわけではないが、「涼宮ハルヒ」との関わりによって間接的にだが、その騒動を解決して普通の日常を取り戻す。極端な言い方をすれば「涼宮ハルヒの憂鬱」という物語は、「普通の人間が世界を救う」お話なのだ。
もちろん長門有希や朝比奈みくるといった魅力的なキャラの存在や、それに涼宮ハルヒを含めたキョンを中心としたちょっとしたハーレム状態も作品の魅力であり、人気の理由であると思う。しかし、現実世界にとって取るに足らない視聴者・読者の「代償」としてのキョンという存在があるがゆえに、この作品が大ヒットしたのではないかと思うのだ。

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朝比奈みくるは、小泉の涼宮ハルヒの能力の解釈を否定する。そのことによって、小泉とみくるが「涼宮ハルヒ」の能力の解釈を巡って対立していることが浮き彫りになる。みくるは「世界の仕組みは最初からこうなっていて、仕組みそのものがハルヒによって変えられているわけではない」とキョンに告げる。
多分みくるの解釈と小泉の解釈がどちらが正しいかを証明する方法はないだろう。例えるならば、円柱を上から見てこの物体の形は丸だと思うか、円柱を横から見て四角だと思うかの違いではないかと思う。もしかしたら長門は円柱を構成している分子構造を円柱の形として捉えるかも知れない。
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「ゲーデルの不完全性定理」よろしく、涼宮ハルヒの影響下にいる限りハルヒの能力に関する解釈が正しいことを証明する方法はない。それはその後の長門の台詞の中ではっきり言われている。

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小泉はキョンに、「涼宮ハルヒ」を取り巻く組織は自分や朝比奈さんの所属する組織だけではなく他にも多数存在し、それらが血みどろの抗争劇を繰り広げていることを話す。さらには朝比奈みくるが「涼宮ハルヒ」の存在を操るために、多少なりとも言うことを聞くキョンを篭絡しようとしている、とまで言う。
事の真実はともあれ、これぞまさに先ほど述べた「もしかしたら自分の知らないところで何か凄いことが起きていて、自分ももしかしたらその当事者か、当事者になりうる存在ではないか」という思春期の人間の現実からの逃避のための妄想に直結する。涼宮ハルヒをとりまくドタバタ劇の裏で、このような思春期の不安定な心をうまく取り込む要素を取り入れていることが「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズの人気の要因となっているのだろう。
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小泉はキョンに話した後、映画と演劇でテンパっているからついそんなことをキョンに話してしまったと釈明する。本当に映画と演劇、そして涼宮ハルヒの自主制作映画撮影が起こす不可思議現象だけで精神的に参っているのだろうか。小泉の憔悴した表情から察するに「涼宮ハルヒを巡る血みどろの抗争劇」も、小泉を精神的に参らせている原因かもしれない。

haruhi24-013.jpg結局キョンはハルヒに「この映画はフィクションです」と何度もナレーションを入れされることによって、自主映画撮影時に起きた全ての不可思議事象を現実と切り離すことに成功する。「普通の人間」であるキョンが為し得た「たった一つの冴えたやり方」だ。キョンがこうした「普通の」解決策で問題を丸く収めるのも、視聴者・読者がキョンに感情移入しやすい大きな要因だろう。ここでキョンがハルヒ以上のなんらかの能力を使って解決してはつまらないことこの上ない。

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キョンはハルヒに、長門が情報統合思念体のヒューマノイドインターフェース、みくるが未来人、小泉が超能力者だと話すが、ハルヒはキョンの話を、そんなバカなことありえない、と一蹴してしまう。この二人の微笑ましい「バカップル」ぶりも、作品にアクセントを与え、かつ視聴者・読者の「擬似恋愛欲求」を充足させる役割を果たして、より作品への感情移入を容易にしているように思える。



涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

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  • 作者: 谷川 流
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 文庫


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  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD



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パール

ハルヒが嫌いになったという人が多いみたいですが、溜息は原作通りだし、個人的にはやっぱりいいなと感じました。
by パール (2009-09-16 08:00) 

bapio

大変興味深く読ませていただきました。
すごくわかりやすかったです。
ボキャブラリーが豊富でうらやましい。
思わずなるほど、などと思いながら読んでいましたよ。

私もキョンが重要な役割と言うのは最初から理解できてたのですが、こんなにうまく説明できないなぁ。

>取るに足らない視聴者・読者の「代償」としてのキョンという存在があるがゆえに

この記事を読んで私がねんぷちでキョンを2体当てたのも無駄じゃない気がしてきました。
いや無駄だろうwww
by bapio (2009-09-16 17:47) 

アリア・ポコテン

アロンダイト さま、
秋月あきね さま、
shin さま、
トメサン さま、
dora さま、
優先 さま、
xml_xsl さま、
usako さま、
今造ROWINGTEAM さま、
空楽 さま、
takemovies さま、
@ミック さま、
釣られクマ さま、
magicalkid さま、
aspirebeat さま、
bapio さま、
takao さま、
tonta さま、
まなふぃ さま、
おどんとグリフス さま、
まこたま さま、
「直chan」 さま、

みなさま、たくさんのnice!ありがとうございました。
映画の編集作業を徹夜でしようとして眠ってしまったキョンのごとく
気がついたらパソコンの前で眠ってしまっていたので、
nice!のお礼やコメントのお返しが遅れてしまってごめんなさい。
by アリア・ポコテン (2009-09-17 17:05) 

アリア・ポコテン

パール さま、コメントありがとうございました。

> ハルヒが嫌いになったという人が多いみたいですが
涼宮ハルヒへの風当たりが強くなったのは、
「エンドレスエイト」のシリーズ構成が受け入れられなかったのと、
それによって「涼宮ハルヒの消失」が結局アニメ化されない不満から
だと思います。
「エンドレスエイト」自体は普通に面白いと思うのですが・・・

> 溜息は原作通りだし、個人的にはやっぱりいいなと感じました。
そうですね。私も「溜息」は面白いと思いました。
だからこんな長くて散漫な文章を書いてしまった・・・
by アリア・ポコテン (2009-09-18 07:30) 

アリア・ポコテン

bapio さま、いつもコメントもありがとうございます。

> 大変興味深く読ませていただきました。
ありがとうございます。
なんだかまとまりのない文章になってしまいましたが、
読んでいただけただけで嬉しいです。

> この記事を読んで私がねんぷちでキョンを2体当てたのも無駄じゃない気がしてきました。
いや、そのキョンは涼宮ハルヒに何の影響も及ぼしませんからw
しかも2体もいても意味ないです(苦笑)
by アリア・ポコテン (2009-09-18 07:34) 

アリア・ポコテン

蒼竜窟 さま、nice!ありがとうございました。
by アリア・ポコテン (2009-09-18 07:35) 

アリア・ポコテン

(た) さま、いつもnice!ありがとうございます。
by アリア・ポコテン (2009-09-19 02:50) 

アリア・ポコテン

ロック さま、いつもnice!ありがとうございます。
by アリア・ポコテン (2009-09-22 08:03) 

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